トップ>メンター通信バックナンバー>メンター通信 第73号
昨年の秋ごろだったと思いますが、ランチェスター経営の竹田先生から、CDが5枚送られてきました。 私は、すぐにCD教材を、たくさん買って頂いた方から順にお配りする予定を組みました。 一社目の社長さんへお渡しして帰ってきたときです。 CDの印刷してある番号が2番になっていました。 「あれ?」3枚目4枚目を確認するとすべて番号が違ったのです。 改めて竹田先生からの送り状を、見てみますと5枚で1セットのCDだったんですね。 しかも非売品なので他の人には配らないようにということまで書いてありました。 「しまった!」 私は早速渡してしまった社長さんに連絡をして、すぐに返してもらうことにしました。 そのCDを昨年末からようやく聞き始めることができました。 本はなくCDだけですので、車で移動するときに聞くことにしました。 このCDは、ピータードラッガー先生が2回目の講演をされた直後昭和35年に発行された書籍を自分の勉強用に竹田先生がアナウンサーに依頼して録音してもらったものです。 私は、第一巻の目の「序」のところを聞いて驚きました。 50年前に次のようなことを書いているんですね。 「日本は価格のみを唯一の基礎としている競争に負けるであろう。日本の労働者が1日で取る賃銀と同程度の賃銀で、1ヶ月間働きたいと望んでいる何百万もの失業者をもっている国がある」 今でも十分通用する内容だと思ったのです。 この書籍では、マーケティング・アプローチ、経営革新、長期計画の3つについて書いてあります。 マーケティング・アプローチの章では、電気器具メーカーの話が出てきます。 ほんとうの顧客はだれなのか 今までの電気器具メーカーは、家の持ち主や建築業者が「顧客」だと考えていた。 しかし後発業者の電気器具メーカーの若い社長は、電気工事屋さんを顧客と考えたのです。 そして、工事屋さんを訪問し調査をし始めました。 その結果、工事屋さんは自分たちの提供する部品に取り付け工賃を乗せて請求をしていることを発見したのです。 その若い経営者は、自分たちメーカーに求められているのは工事屋として最小の労力で取り付けができ、最高の請求が出来るようにすることであることに気づいたのです。 製品は、最盛期に達するまでに廃止すべき 製品をどうして廃止したらよいか解らないため、いくらかでも需要のあるかぎりは製品を持ち続ける。 その結果、古いくたびれた全盛期を過ぎた製品は、力を奪ってしまうのです。 そんなところに「浪費するような力は持ち合わせてない」とまでいっています。 それでその方法ですが、3年〜4年ごとに次の質問を投げかけて再点検することです。 「もしこの製品の製造、もしくはサービス業務を行っていなかったとしたら、いま積極的に投資するであろうか」 もし答えが「否」であったらその製品は廃止の候補に入ったことになります。 そして本当に熱意を感じる製品あるいは、これからまだやれるなら手をつけたいと思うような製品もしくはサービスだけを続けていくべきです。 確かにその通りです。経営資源が少ない会社は、いつも本気でエネルギーを避けるものだけに集中していく必要があります。 こうして、私は竹田先生から頂いたCDを繰り返し聞くことになっていったのです。 5回ほど聞いたときに、やはり活字で見ないと良くわからないところがあると気づいたのです。 そこで中古の本を探しました。そして見つかりましたが、 「なんと!1万786円!」 さらに第2版は、1万8千円を超えています。 う〜ん。2ヶ月悩んだ挙句、年末に購入しました。当時3百円でした。元を取らなければ・・・・・
昨年12月23日、天皇誕生日の日に堀製麺の堀社長から依頼を受けまして、倫理法人会さんのモーニングセミナーで話してきました。 ご存知の方もみえると思いますが、この会は毎週朝6時に勉強会をしています。 私はこのセミナーで話すのは3回目です。 レガートの中居さんから依頼を受けたのが最初です。 中居さんは、ランチェスター戦略を私よりずっと前から勉強されている方で、以前からお世話になっています。 もちろん、二つ返事でOKしました。 2回目も、その中居さんに伊賀の倫理法人会に呼んで頂きました。 倫理法人会さんは、時間に厳格だとお聞きしているのでいつも緊張します。 最初の松阪のときですが、最悪5時半には到着できるように場所も調べて早い目に出たのですが、朝の5時というとまだ日が昇っていません。 しっかり目を凝らしていたのですが、行けども行けどもホテルの看板が見当たりません。 「これはまずい!」 通り過ぎてしまった事に気づいたときは、5時半を過ぎようとしていました。 近くのコンビニに飛び込んで、聞いてみても会場のホテルのことは解らないと冷たい返事が返ってきました。 万事休す。困り果てた私は、中居さんの携帯に電話をしました。 「あっ、中居さんですか」 「おお、今日はよろしく」 「中居さん、場所がちょっと解らなくなりました」 場所を説明するとすぐに 「近くにいるから、その道をまっすぐに来てください」 とのこと、天は我を見捨てなかった。 無事にホテルに到着しました。 ところが、この焦りからか肝心な話の終わりの時間まで間違ってしまって、5分早く終わってしまいました。 そんなこともあり、モーニングセミナーは非常に緊張します。 四日市では、ドジらないように朝4時から準備をしました。 さて、話の内容ですが四日市の会長は水九印刷の水谷社長です。 水谷社長は、私をリラックスさせてくれるように「体験談を話してくれればいいですから」と声を掛けてくれましたので、いつも講義では話したことがない独立して直ぐのことを話しました。 独立したときの私は世間でいう最悪の状態でした。 お客さんが全くいない上、どうやってお金を稼いでいってよいか全く解らない。 その上大腸ポリープが発覚したのです。 どん底と言えば、どん底でした。しかしそんなに深刻になっていた訳ではありません。 その訳は、2つあります。 ひとつが、会社の業績は98%社長の実力で決まると竹田先生から叩き込まれていたからです。 会社で社長は一人、ですから社員の数が多い会社もあるかもしれませんが、なんとかなる可能性もあると信じていたからです。 もうひとつは、今回話をした時間の使い方です。 経営力は、会社の資源×人的能力×時間の2乗。 独立当初は、もちろん会社の資源・人的能力も全然ありません。 残るは、時間だけです。時間の量です。 時間量だけでも、投入しようと決めたのです。 まあ、やれることはこれぐらいしかありませんから。 まず仕事の時間量を年間4140時間と設定しました。 決死型です、いわゆる死んだつもりで働くということでしょうか。 次は、それを何時から始めるかですが、竹田先生の調査によると7時半からだそうです。 業種によっても違いますが、業界の常識の1時間前から社長が仕事を始めているところは業績が良いのだそうです。 私はまだこれが出来ていません。 自宅事務所ということもあり、通勤時間がゼロ。 それに甘えてしまっていたので、仕事時間量は達成できていても、開始時間がどうも曖昧になってしまっています。 これは今年の目標で、朝7時半に仕事がスタート出来るようになるのが楽しみです。 この拡大した時間をどのように使うかが、その次の問題です。 ランチェスター戦略でビジネスをやっていくのですから、まずはランチェスー戦略を勉強しなければなりません。 教材は、代理店契約の時に送られてきた90巻あまりのビデオです。 しかし、ちょっと待ってください。 会社の経営力を発揮するという点から考えると社内でいくら勉強していても業績はよくなりません。 そこで、昼でも夜でも人に会えるときがあれば、すべて優先しました。 営業力を発揮する時間を全体の3分の2にすることを目標にしました。 そこで私が工夫したのは、午前、午後、夜と一日を3コマに分けて、一週間で14コマ取ればその週は自分の勝ち、相撲で言えば10勝5敗で大関になるわけです。 勉強するのは、その空いた時間です。土曜日や日曜日が多かったです。 土日は一日中ビデオを観ているので、竹田先生が夢にまで出てきたことがあります。 こうして私は「時間をどう使うか。」だけに集中することで、将来の不安というものからは開放されました。 「そんなにまでして・・・働かなくても」とおっしゃる方もみえると思いますが それほど余裕が無かったんですね(笑)。 とは言え、時間が自分に与えられた一番近いところにある財産です。 それは竹田先生のCDで改めて感じることができました。
時間戦略のCDで紹介されているこの講演は、アメリカの牧師ラッセン・コンウェルが、アメリカ全土で6千回も行った講演です。 20年ほど前にこのような話を聞いたことがありますが、あらすじは次のようなものです。 アフリカの農夫が一攫千金を夢みて代々の土地を売り払いダイヤモンドの鉱脈を探す旅に出たのです。 ところが色々な情報を元に、あちらこちらを探したものの鉱脈は見つからず、遂にお金も尽き絶望のうちにこの世を去っていくのです。 しばらくして、農夫から土地を購入した人が念のためにと調査をしてもらったところ何とその土地から珍しい石が発見されたのです。これがダイヤモンドの原石だったことは言うまでもありません。 すばらしい人生を送るダイヤモンドの土地は、自分の足元にあるということです。 その第一は、時間です。時間は貯めることも、借りることも出来ません。 全員に平等に与えられています。ですから私のように何も取柄のない人間は一つの事に投入する時間を多くするしか方法はありません。 二つ目は、現在の仕事です。長年やってきた目の前にある仕事は今すぐにでも今以上のことが工夫できるはずです。 これ以上の上の無い、無上意を起こすということでしょうか。 三つ目は、自分の潜在能力です。 まだ発揮されていない能力とは、自分の短所です。 苦手なものを克服することで、見えない能力が現れてきます。 これを「神の宝」というそうです。 自分の知らない神の宝は、体の奥深く眠っていて遊んでいたり、酒を飲んでいたりしては決して開発されることはありません。 神様は、努力する人だけにこっそりと教えてくれるそうです。 四つ目は、地元です。自分の住んでいるところで一番になっている人は地元を愛しています。そして大切にしています。 『人生の流れを大きく変える自己啓発と時間戦略』というCDは私に改めて人生の大切さを教えてくれました。 両親からもらった最大の贈り物は、お金でも土地でも、まして会社でもありません。時間です。 時間を価値あるものに使うことこそが最大の親孝行だと思います。
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