メンター通信 第27号
発行日2006.3.25
経営計画書は作戦計画書であるべし
みなさんは、経営計画というとどのようなイメージをお持ちでしょうか?
私のところにも、『中長期経営計画の立て方』という本があります。
以前、名古屋の書店をあらこちら探し回り、手に取った一冊です。
出来る限り具体的な内容を選んだつもりです。
その本には、
製品計画、マーケティング計画、設備計画、資金計画、組織計画、人員計画、教育計画などを立てなさいとあり、
それぞれの具体的なシートもありました。
何年には、利益をいくらにして、設備をどうしてなど書き込めるものです。
自社に関係するものを、抜粋し書式に書き込みました。
そして達成するかなぁ〜なんて思いながら、少し調整して・・・
完成です。ちょっと満足!
しかしその計画は達成しませんでした。
というか、実行しようとはしませんでした。
「それは、お前に本当にやろうという気がないからや!」
確かに。そうなんです。
やる気の問題なんです。
ではなぜ本当にやろうという気が起こらなかったか?
ここが、私にとっては大問題でした。
その時の気持ちを振り返りますと、
- 本当にできるとは思っていなかった。
- 目標値は、出来たがその達成の仕方が浮かばなかった。
この2つが、マイナスの相乗効果を生み出しました。
達成の方法を直ぐに思いつかなかったので、
「まあ目標は目標だから・・・」
と言い訳が頭によぎります。そのうち出来たらいいなぁ。ぐらいにトーンが落ちてきました。
俺が考えるのでは、部下が成長しないから。と究極の言い訳をして、部下に数値目標だけを押し付けてしまう。
そして遂にこの計画は実行されることはありませんでした。
どうしたら経営計画が実行できたのでしょうか。
実行に命を掛けているか!
独立してすぐのことですが、経営方針を立てることを思い付きました。
一人で運営をするにしても、将来を含めどうやって会社をやっていくのか書き出す必要があると思ったからです。
定番のSWOT分析などからはじめ、一応途中まで書き上げましたが、先ほどと同じく実行できる段階までの計画書は書けませんでした。
そんなことをしているうちに、翌年の2月に竹田先生の講演会が決まりました。
最初に頭をよぎったのは、
「集まらなかったらどうしよう。」です。
2月までには時間はありますが、なんせ、いままでやったことがありませんでしたので。
私は、気持ちを落ち着かせるために、B4の紙を取り出し、マジックでやらなければならないことを書き出し始めたのです。
・チケットを作る
・ちらしを作る
・会場を予約する
・ニュースレターを作る
・FAXを出す ・・・・・・
そうこうしているうちに、この作業には順番があることに気づきました。
例えば、ニュースレターを出してから、FAXがよさそう。
FAXは、あまり何度も流せないので、開催の1週間前と2週間前の2回ぐらいとか。
そこで、もう一枚紙を取り出し2月からさかのぼって、項目を書き出し、その横に日付を入れました。
そしてこの紙をリビングに貼り出し、上から順に作業に取り掛かったのです。ほぼ4ヶ月の実行計画でした。
経営計画なんて言えるものではなかったのですが、実行できたのはこちらの方です。
違いはなんだろうか。
まず、兎に角やらねばという気持ちです。
やばいなぁ〜。ここで10人しか集まらないなんてことになった大変だぁ〜。
もう一つは先が見えていたということです。
目標が具体的で、期限も切ってあり、2月のセミナーまでのプランが頭の中に描くことができていたことです。
さらに、リビングに貼り出した手書きの紙で、いつも意識させられました。
3つ目の違いは、最初から何名集めるなんてことを考えていなかったことです。なんせ初めてですから、数値目標なんて出しても嘘になります。
ある程度実行して始めて数値目標を立てることにしました。
実行するためには、どうすればよいのか。
どうやら、私は、数値目標やスローガン的目標があっても、パッと実行できるタイプではないようです。
また、年間計画などと言われても、12ヶ月もの間意識し続けることは、無理なようです。
そこで、私がお勧めするのは、実行計画を立てることです。戦争で言う作戦計画書です。
作戦遂行の期間は、自分がしっかりと頭にイメージできる範囲の期間でなければうまくいきません。
私もセミナーなどで募集することがよくあります。
そういうときは、B6の少し厚い紙を出してきて、次のセミナーまでに、最初にこうやって告知して、次にメールを打って・・・と書き出します。
そしてこの紙をじっと眺めて、できるかどうか、やれると思えるかどうか。をじっくりと考えます。
考えるというより、そのときのプロセスをイメージします。
そして、このイメージを鮮明にする助けとして、気づきたことを紙に付け加えます。
今から戦場に向かう人だったら誰でも、頭の中でシュミレーションしませんか?
戦場という言葉が嫌いなは、スポーツに例えてもいいと思います。
この作業がうまく行くとかなりの確率で実行できます。
実行すると結果でますので、その結果に対して対策を打っていけるのだと思います。
もちろん、最初は難しいですので、部下に丸投げするのではなく社長がするのが一番だと思います。
3ヶ月の計画が出来るようになったら、6ヶ月というように期間を長くしていくと最終的に経営計画書ができると思います。
儲けは、売上から原価を引いた残りではない。
以前からずっと答えが出なかったことがあります。
他の会社とそれほど変わらない売価で仕入額もそんなに変わらないのに利益性のよい会社と悪い会社があるということです。
社員の能力も多少の差こそあれ、それほど違わないのに
みんな毎日一生懸命やっています。
中小企業に勤めている社員さんは、ほど真面目にやっているような気がします。
それなのに同じような仕事をしていて、同じように頑張っているにも関わらず、なぜ儲かる会社と儲からない会社があるのか不思議で仕方がありませんでした。
モスバーガーとマグドナルドでは、一人当たり経常利益が30倍違うんですから。その差があまりにも大き過ぎる様な気がするのです。
どう考えても、何か違うところに理由がありそうな気がします。
竹田陽一氏によると「上場企業の一人当たり経常利益と市場占有率との間に二乗に比例する関係がある」そうです。
例えば、店舗で商売をしているとします。
店舗のコスト、人件費などは多少の差こそあれ一人当たりに換算するとそれほど違いはありません。
今回は、比較のために同じコストだとします。
一方の店は、地域で一番人気の店で、たくさんのファンがいます。
毎日行列ができるぐらいの人気の店です。
かたや、ぼつぼつは来店いただけるのですが、店員の待ち状態が続きます。
残念ながら、お客さんは平均的に来店するのではなく、パレートの法則に従い、人気の店に集中してしまいますので、
一人当たりのコストが同じだとしますと儲けが30倍も差がついても不思議はありません。
しかも一位のお店は、お客さんの方から店を探してくれます。
私のように人件費産業でも同じです。
次々と予定が入っていると待ち時間も、少なく利益額も上がります。またそれだけ紹介を受ける可能性も高くなります。
ところがお客さんが少ないと紹介を受ける可能性も減り、待ち時間も多く、なんと言ってもお客さんの生の声が聞ける機会がすくなくなります。最終的には、技術の低下を招いてしまいます。
製造業でも同じではないでしょうか。何年も先まで予定が入っていれば、波も少なくなります。
ここで言いたいのは、地域一番店とそうでないところでは、思っている以上の差が付くということです。
利益性をよくするには、
「売り先をとにかく見つけてコイ!」
とハッパを掛けるのではなく、
この商品で(または、地域、客層、業界でも結構ですが)特徴のあるものを作れ。
「それを磨いて、強いもの(得意なもの)にしろ。絶対に一番にするんだ!」
と励まし続けることでは、ないでしょうか。
箱田忠昭感動セミナー大盛況
3月4日ついに実現しました。
遠くは九州大分、そして神戸からも主催してほんとうに良かった。
セミナー内容の方ですが「さすが!これぞプロ」という感想です。
中小企業センターの階段教室という大変やりにくい会場にもかかわらず、会場と一体感をつくり。一人ひとりとの気持ちをしっかり掴む技術には、素晴らしいものがありました。
運営をしたいましたので、じっくりと聞くことはできなかたのですが、アイコンタクトを一対多ではなく、一対一で取るというのは、画期的でした。
スグにでも使ってみようと思います。
さて参加された方の感想は如何だったのでしょうか。
感想の一部を掲載させていただきます。
◆◆◆ お客様の声 ◆◆◆
積極的肯定的に生きる人生の再認識(SMIやってよかった)今後の講演や人前の話で十分に活用させてもらいます。(吉川秋吉様)
大衆への話し方も1対1のジグザグ型でよいとわかると安心した。
(森本高史様)
岩崎先生にセミナーに関するご指導をして頂いておきながら忙しさにかまけて全く進んでなかったのですが、もう一度新たな気持ちで取り組んで行く気持ちにさせて頂きました。(棚橋寿詔様)
わかっているつもりで、実際は「つもり」だけだったと気が付いた。実行を行うこと、それもスグに!これを忘れないよう心がけたいと思います。 具体例が多かったので、実践しやすくとても参考になりました。
(村瀬聖子様)
効果的に話すことのできるノウハウ、気合い。ポジティブな参加者ばかりだと大変刺激になります。ありがとうございました。(市田淳一様)
人前で話すことに対して、余り抵抗を持っていない様に自分では思っていましたが、実際に話している場面では上がっている事が多かった事に気付きました。話し方の基本を身につけられたらと思います。プロの話し方には、テクニックというのもがある事を知りました。(井戸裕美子様)
とてもわかりやすい話し方の上手くなるポイントを知ることができました。自分の枠をはずして「できる」と思って実行することが大切だと改めてわかりました。箱田先生を今まで知らなかったので、先生のことを知ることができたことが何よりの収穫です。ありがとうございました。? (永田雅子様)
明るく楽しくセミナーを講習することが出来ました。近頃自分が否定的だと感じました又「心に気合を」今から入れて行きます。時間がもっと長ければ、残念です。最後まで聞くことができずに??(小笠原貴行様)
コミュニケーションをする上で一番大切なのは「目」であること。実行することが何よりも大事である。定期的にセミナーを開催してほしいです。
(鈴木憲司様)
話し方の視線、アイコンタクト、コミュニケーションのとり方もっと話し方について聞きたかったです。(阿部雅登様)
肯定的に思考を変えること→常に意識しているつもりですが、又さらに今日、頭がガツンとやられた気がしました。アイコンタクトは、80:1でなくて1:1であること→なるほどたしかにすぐに実践で使ってみたいです。
とても良いセミナーでした。本当に参加させて頂きましてありがとうございました。(高木さと子様)
即実践すること。アイコンタクトが大切だということ。
ジグザグ法、ポジティブシンキングなど。得られたことは多かったです。「話し方セミナー」だと思って聴きにきたので、後半の30分ほどになってしまったのは残念だ。ただ「感動セミナー」というタイトルであったのであれば満足しました。
あと話し方、ジェスチャーなど箱田先生の話し方からもいろいろ学ぶことが多くありました。?(渡部克彦様)
プラス思考、人前で話す方法(してよにっこり)専門能力をつける。目標をもつ。大変参考になりました。今日からやれる事はやっていきます。
(井上洋次様)
視線の送り方の具体的方法。メラビアンの法則の実際の使い方。自分が人前に立って話す時に役立つことが数多くあった。
次回から使ってみたい。(井木章人様)
『窓枠を通して、物事を見ている(窓枠の外の見えていない部分があることを忘れてはならない)』ということ。
肯定的に考えようと思っていても、いざとなると知らず知らずの内に否定的な見方をしているということ(手押し車の話)
人前で話すことのための重要ポイントが外見であること。ありがとうございました。実践を心掛けます。(橋本達明様)
自分は、セミナーの中にも出てきたような頭でわかっていても行動できないタイプの人間でしたがとにかく第一歩を踏み出してみようと勇気をいただきました。ありがとうございます。ぜひ次の機会を作って下さい(丸山宏二様)
枠を外した見方をする。コアコンピタンスを作らなければいけない。コミュニケーションは、視線が大事。何よりも明るく楽しく元気よく!
(早川尚孝様)
眼力が重要であるということ。多人数とのコミュニケーションではなく、何人いても1対1の対話であるということ。納得させる実験を折りまぜており、頭だけでなく感覚的に理解できた。
感動させることについて教えるということを見せて頂いた。毎月1回等、他の先生の講演は行われているのでしょうか?(今井倖吉様)
営業=トーク いかに上手く話すかということが大事だと思っていました。でもそれ以上に手振り、視線、表情、姿勢のウィイトがいかに高いか。皆の前で先生がそれを実践し教えてくれました。
具体例を出して頂いてなるほどなぁと思いました。終始笑顔で話をされていたことが印象的でした。
本日はいい勉強になりました。どうもありがとうございました。? (中村勝利様)
人生は肯定的でなければならないと言う事、一見悪いと思われる事でも、見方によっては、全く違う事に見えると言う事を再確認させて頂きました。話し方は、大変勉強になりました。
ありがとうございました。(鈴木善久様)
良い引き立て役になった。神谷です。言葉だけでなくみんなに実演してもらったら良いんじゃないでしょうかとても身につくと思います。(神谷哲治様)
否定的な事を言わない。考えない。プレゼンテーションの方法にも、色々とある(考えなくてはいけない)全体の中での目くばりの方法。分かりやすく良い講師の先生だった。あっという間の2時間で時間が足りなかった感じがした。(佐藤健一郎様)
人は話をきいていない。大事なのは「してよにっこり」だと気付きました。話しの内容よりも、話し方、態度なんですね〜。
あと1対1コミュニケーション 21G12AG法など新しい気付きがありました。どうも今日は有難うございました。 (小野要一様)
いい事は、すぐ実践することが大事だということに気づきました。
変わろうと思えば、変われるということが理解できました。
今から、いつもニッコリします。とても面白く楽しい時間を過ごさせました。
人をひきつけるのが、コミュニケーション外観だけで9割はすごいです。これを基本に話の達人になれるといいです。(福尾和哉様)
20年ぶりに先生の話を聞かせていただき、原理原則人間として一番大切な事を再認識させていただきました。20年前に思い描いた将来の夢・ビジョンを今50歳を前にしてもう一度新たにしかも20年前の時それ以上に鮮明に描いて実現に向けて歩み続ける決意が出来ました。ありがとうございます。こういう理屈抜きのセミナーはいいですね(山下十三夫様)
→ 講演会のCDは同封の申込用紙にて
南ロータリークラブの卓話に
リフォックスの国安院社長から、突然電話があり
「卓話をして欲しいんだけど・・・」
私は、卓話とお聞きして、坊主の説法を思い出してしまいました。
卓を辞書で調べると「仏前に置き、香華を供える机。」とありましたので、まんざら違うわけでもないようですが。
2月22日に四日市南ロータリークラブさんの卓話で30分ほど時間を頂きました。ロータリークラブとお聞きしてなんだか怖そうな気がしていたのですが、会場に入るなり、丸中建材の中澤社長、オーエム山下社長、柳屋総本店柳川社長とお目に掛かった方が、みえて少しは落ち着きました。
今井会長にお聞きしますと毎週行われているそうで、さらにびっくりしたのは全員皆出席で行われているそうです。
昼食を一緒にした後に、話を聞くというのも、その辺りが考慮されているようです。
話の内容は、ランチェスター戦略にしようかと思ったのですが、ランチェスターと言ってもピンとこないかなぁと思い、急遽「小が大に勝つ戦略」に変えました。
30分間という時間でどれだけお伝えできたか心配ですが、会長の今井さん初め機会を与えて頂いた南ローターリークラブの皆さんにとても感謝しています。
南ローターリークラブさんの繁栄を祈っています。
竹田陽一氏セミナー5月16日に開催します。
本家のランチェスター戦略をお聞き下さい。
今回の講演は、「社長の役目・社長の仕事」です。
主催は四日市商工会議所さんですが、私のところでも申込を受付します。
社長の仕事は目に見えないことが多いです。
役割分担を明確にするだけで、その会社はよくなります。詳しくは
→http://www.i-mentor.jp/takeda/semi.htm
または同封のパンフレットにて
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