メンター通信 第8号
発行日2004.08.25
大失態。人の言うことは聞くもんだ。
先月のニュースレターに、同封しましたプレゼント企画には、
多数ご応募頂きまして、有り難う御座いました。
実を申しますと、
最初「経営計画の十二の要点」プレゼント企画だけのパンフレットを作成しておりました。
中々よくできたと自画自賛。ところが欲が出て、ぼつぼつカセットも販売できないかな。と考えたのが間違いの始まりでした。
手ごろな教材ならほしい人がいるかもしれない。
社長塾を知ってもらう上でも
「本気社長の経営戦略」あたりがいいなあ。
よし、ついでだから広告を載せよう。
取って付けたように広告を追加してしまいました。
そうしたら、二、三の方から「よく解らん」
「紛らわしい」とのご指摘をお受けしました。
そう言えば、ニュースレターをチェックしていた唯一の社員(家内ですが)が、「これ間違うのと違う?」と言っていたなあ。
そのときは、後の祭り。いい勉強になりました。
ということで、急遽無料プレゼント企画に変更した次第です。
紛らわしい表現で戸惑った方々に、この場をお借りしてお詫び申し上げます。またご指導頂いた方々に感謝を申し上げます。
有り難う御座いました。
身内だからと言って軽視すると大変なことになるという反省でした。
竹槍と精神だけで戦っていませんか!
私はもちろん戦争経験はありません。皆さんもほとんどの方は同じだと思います。
一度思い浮かべてください。
武器は竹槍。
敵は何処にいるのか解らない。
訓練はしたことがない。
戦い方は教えてもらったことがない。
こんな状況で皆さんは、戦場へ出向くことができますか。
いくら自分の上司であっても、とにかく誰かを倒して来い、武器はこれしかない。敵は、目の前に現れたらそいつが敵や。
戦い方、そんなもん小さいときに喧嘩したやろ、それでええ。
勘弁して〜。私は、軍より自分の命の方が大切です。
誰が考えてもそうなります。
ところが会社でもこういうことが行われているのです。
経営計画書は、必要なのか
企業には、経営計画書というものがあります。
経営理念、ビジョンなどから始まり、十年後にどうなる。五年後にどうなる。そして売上は・・・
これを、戦争でいう戦闘計画書に置き換えるとどうなるでしょうか。
我が軍が、世界統一をする。それは全世界の人々は幸せになるためだ。一年後には、県内を統一、五年後にはアジアを、十年後には世界を統一するのだ。
ところで将軍。どうやって一年後に県内を統一するのですか?
知るか!。自分で考えろ!
これは経営のおいても同じです。
経営計画書に、単に売上を何%増やすとか、粗利益を何%増やすという目標を掲げても実行することはできません。
粗利益を上げるには、粗利の発生源であるお客さんを増やす必要があります。といっても「誰でもいいから連れてこい」ではダメです。
どういうお客さんを増やしてくるのか。
それは男性なのか、女性なのか、企業なのか、大企業なのか、
どの地域で増やすのか、市内なのか、県内なのか、
どんな商品を用いて増やすのか。
商品、地域、業界客層の3つの重点目標と範囲が計画書の中に盛り込まれないと実行できません。
なぜならば、この3つの決め方によって、どうやって新しいお客さんを見つけるのか、どうやって維持していくのかが全く違うからです。
場合によっては、組織も変える必要があります。
かつて牛丼の吉野家は、男の食べものというイメージだったのですが、これを女性に販売したいと考えた吉野屋は、店員をまず女性にしたというのは有名な話です。
集客する客層が変わるだけで、組織すらも変えなければならないという現われです。
経営計画書があるといっても、それが実行手順まで入っていないとそれは実行できない計画書であれば、何の意味もないものになります。
計画書がないのは勿論、戦場へ向かうのにこんな計画書では怖くていけません。
どうすれば、よい経営計画書を作れるのか
そこで、戦いをイメージして考えてから、それを経営に応用させるとわかりやすくなることが解りました。
戦いが好きなのは古代ギリシャです。
古代ギリシャでは、競い合いを「アゴーン」と言って普段から楽しみ、研究されてきたそうです。
その古代ギリシャでは、将軍がやるべきことと兵士がやることの大きく二つに分けて考えることにしたそうです。
その一つが将軍の術で、戦略(ストラテジー)、兵士の術を、戦術(タクティティコース)としました。
この将軍の術こそ社長の術、社長が研究するテーマであります。
そこで社長が戦略実力を高めることが最重要課題です。
例えば、先ほどの商品、地域、業界客層を決めるにしても競争相手とお客さん、そして自社の状況を加味して最も有利な状態を選択しなけばなりません。
そしてこの目標を達成するために最も効果的なやり方を見つけなければなりません。
例えば、訪問販売をするのか、通信販売をするのか。テレマーケティングを行うのか、決定権者にどうやってアプローチするのか。
それをどういった人が行うのか。このような多くの方法から選択したり、場合によっては全く新しい方法を見つけなければなりません。
このように難しい作業も、分解することでわかりやすくなります。
いままでのニュースレターでも書いてきた8大経営の要点がこれにあたります。そして最も重要なことが次のことです。
「会計中心から営業中心の計画書に変えること」
いくら売上を上げたらよいのか計算するのが難しいのではなく、どこでどうやって売上を上げたらよいのかを決定するのが難しいのです。
人間関係を強化する秘中の秘
デールカーネギーの9つのルールを前回ご紹介しました。
実はこのルールを実行する前に私なりの大切なルールがあります。
- 人と人は完全に分かり合えることはない。
したがって永遠に分かり合おうとしなければならない。
- 全く分かり合えない人間など存在しない。
この二つです。
私は二十三歳のとき、地元デーラーに整備士として入社しました。
整備士の同期は十八歳か二十歳のどちらかで、すべて年下です。
多少話も合わなかったこともあり、フロント業務や工場長の仕事に興味があった私はフロントマンや工場長によく話していたのです。ところがこういった行動は、先輩の反感を買うものです。
生意気な新人が入ってきた。てな具合です。
そうなると何かきっかけを見つけて突っかかってこようとします。
ある昼休みキャッチボールをしているとシャッターを背にさせられて取れそうも無いところにボールを投げつけられて、いわゆるハリツケ状態です。
別の日洗車当番というのがあり、一日中お客様の車を洗う日があります。その日は朝から雨が降っていたので、車を洗っても本当に洗ったのか、よく解らない状態になってしまうのです。私は確かに洗ったのですが、
「洗ってない。わかっとんのや!。見てたんや。もう一回洗え!」そんなこんなで、かなり人間関係は悪化していました。
そんなときでも、心に誓ったことがあります。
まず決して自分からは、嫌いにならないでおこう
と思いました。自分が嫌いになったら二度とその人
とは相容れないと思ったからです。
次に、いつかは必ず分かり合えると信じました。
裏返せば焦って成果を期待はしないということです。
私は一社目を人間関係で失敗してしまい、わずか十一ヶ月で退職してしまいました。
この経験がそう決意させたのだと思います。同じ轍を踏まないと。
修復のきっかけというのは突然訪れました。
社員旅行の前日になぜか飲みに行くことになり、私も同席しました。
夜はサウナに泊まり、バスに乗り込みました。
そのバスで私は二日酔いも手伝い大はしゃぎをしてしまったのです。
そのことがきっかけで、今までのことがウソのように雪解けになってしまいました。
旅行から帰ったら、いままでのことは全く無かったように人間関係が改善されたのです。勿論私も何のわだかまりもありません。
この二つの一見矛盾するような原則は、いまも心がけています。
おかげさま
八月十八日に愛知県商工会連合会様よりマイクロソフトIT実践塾を依頼され講師を務めてまいりました。この話を頂いたのは愛知県産業情報センターの日沖様より推薦を頂き、今回実現したものです。日沖さんとは、以前同じIT実践塾を産業情報センター会員様向けに開催させてい頂いて依頼のお付き合いです。
当時一四〇名の参加者で偶然NHKの取材に会いテレビで放映されたことを懐かしく思います。
当日は、経営指導員の方一七九名が参加され、冒頭マイクロソフト中部営業所所長三村氏にも、挨拶頂き熱気あふれるセミナーになりました。
私が、今回お話させて頂けるのも、東洋電機竹内社長の計らいで、講師認定の講義を竹内社長の社内でさせて頂けたからです。
人と人との繋がりで、すべてが成り立っていることを改めて感じました。そしてやはり感謝です。
お陰さまで、早速連合会様からは次回のセミナーのご依頼
翌日名古屋商工会議所様からセミナーのお問合せがありました。
有り難う御座いました。合掌
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