メンター通信 第6号
発行日2004.06.27
営業の仕組みを考え、教育・訓練せよ
こんな私の事務所兼自宅にも訪問営業が来ます。
大きくわけて二つのパターンです。
一つ目は、訪問するなり売り込みを始めるパターンです。
二つ目は挨拶に来ましたといって、一度きりで終わってしまうパターンです。いずれも成果は出せずに帰っていきます。
訪問するなり売り込みを始めるパターンは、迷惑電話の第一位、先物取引の電話の手口と全く同じです。
商品販売が成立する最低条件は、何でしょうか。
@売りたい人がいる。
A買いたい人、もしくは買ってもよいと思っている人がいる。
B決定権者(お金を出す人)がいる。
この3つが揃わないと販売は成立しません。
相手が、買う気があるかどうかもわからない状態で、商品説明を始めたり、カタログだけを置いてくるというのは商談の成立条件が揃わないのに商談を行うということです。ヘリコプターからカタログを巻いているようなもので、経費と時間の無駄です。
さらに、見込客を一軒なくすというマイナス面まで発生します。
では、先物取引のセールスはどのように進めるべきでしょうか。
百発百中成功する方法などありませんが、確率を上げる方法ならあります。
最初に考えておきたいことは、先物取引はすべての人間が興味をもっていないのかです。そんなもん誰も興味が無いに決まっているさ。
と思った方は、営業には向いていません。少なくとも先物取引のセールスは無理です。この時点でノックアウト負けです。
空の心で考えるならば、お客さんに聞いてみないと解らないのです。
さらに言うなら、儲け話を心底嫌いという人の方が少ないのではないでしょうか。
そうでないと宝くじはあれだけ売れません。
ちなみに私は宝くじを買ったことがありませんがお金儲けには興味があります。
まず市場はある。と思い込むことです。
第一回目のコールでは、
・しっかりと名前と会社名を名乗る。
・「お金儲けの話ですが、ご興味ありますか。」と伝える。
これを一日中コールします。ほんの一分程度で済みますのでかなりの数が出来るはずです。
その中に一人でも、興味があるという人がいたら、相手の情報を聞き出します。
例えば.、「儲けるには当然リスクが必要になります。」
「今までに、どんな方法でお金を増やしたことがありますか」
など、相手の情報を聞き出します。
ここで説明をしてしまったら、お客さんの断り文句をわざわざ与えているようなものです。
説明を聞いて断るのだから、お前には用はない。と言いたい訳です。皆さんも先物の電話の場合、我慢して聞かれる方も見えますね。
あれは説明を聞いたという事実を作るためです。
話を聞いた結果ダメなんだからという強い断りを言うためです。
それを言わせないために、機関銃のように話をするわけです。
でも結果は出ません。全くお門違いです。
話を戻しますが、情報を聞きだした結果そのお客さんが取れる範囲のリスクで商品説明をしていくのです。
少し例が悪かったかもしれませんが、ここで申し上げたいのは、段階を追って商談を進めることです。
ところが先物取引でなくても、これに近い営業を結構やっているのです。
兎に角、カタログを置いてくる。兎に角商品説明をしてくる。
これからますますそのようなセールスは増えると思います。
なぜなら、クリックしたり、ボタンで切り替えたり、便利な世の中になったため面倒くさいことを嫌がる傾向にあります。
これは大人でも、同じです。環境の問題です。
しかし人間関係だけはボタンで変更することができない。
だから物騒な事件が起こるのです。
宣伝さえすればモノが売れると勘違いし。売れなければ商品が悪い。お客が悪い。会社が悪い。となるわけです。
競争条件の不利な会社は、マス広告をしても効果は上がりません。
商品開発もお金が掛かります。一番費用が掛からずに有効な手段は人間関係を築きお客様を味方につけることです。
営業の仕組み作りをし、教育と訓練を行い、営業活動をすることがますます重用になります。
そうしないと先物取引の営業と同じことをしてしまいます。
一回目のアプローチはどうするのか。二回目はどうするのか
どんな情報をとればよいのか。
いつ商品説明をするのか。など教育・訓練をしなければなりません。
「そんなことまで、指導できるか!」というかもしれません。が人間関係の作り方を指導しなければならない世の中になっているということなのです。
ましてや、会社という仮面をかぶって営業するので放っておくとますます顔がみえなくなります。
人間関係が希薄になっている世の中だから自然に振る舞いができるようになる訓練が必要となるのです。
経営の八大要因の実行手順
前回までに経営の8大要因もそのウェイト付けもわかった。
ではどのように実行していくのか。
ここで参考になるのが、将校が勉強するテーマです。
将校が勉強する一二大テーマは
@必勝の信念?? ?????????? A目的の明確化?? B目標の明確化
C戦略を決める?????????? D戦術を決める?? E戦闘時間を決める
F戦闘期間を決める????? G情報の収集????? H革新の実行。
I統制の強化????????????? J統率力の強化?? K教育と訓練。
この中で特に大切な戦略と戦術について解説します。
戦術の語源はタクスコース。手や体を使い何回も繰り返し行うもので、兵士の術です。
つまり道具を使い同じ動作を何回もする仕事はすべて戦術です。
兵士は、将軍の方針に従って訓練し、将軍の方針に従って持ち場につき、将軍の方針に従って行動することになります。
ここのところは大切です。将軍とは会社でいうと社長です。
社長の方針に従ってということは、社長が方針を出さなければならないということです。
次に従業員はその方針を理解しなければなりません。
理解したら訓練し持ち場について行動しなければなりません。
一度自分の会社に置き換えてみてください。
社長は方針を出していますか。従業員に「なんとかしてこい」という漠然としてことを方針と言っていませんか。
従業員にその方針がどういう考え方で出されたのかを理解させていますか。
方針に従って訓練をしていますか。従業員は方針に従って行動しているでしょうか。言い訳を山ほど持ってきて、実行していないということはないでしょうか。
話を戻しますが、戦術は繰り返しの作業になりますから、求められるのは「能率向上」です。日本人はこれが大得意のようで放っておいても能率向上を目指すようです。
ところがこのこと自体が会社の業績に効果的かどうかは別の問題です。例えば、滞留時間が長くなると店の売上は上がります。
このことを、方針として伝えないと如何に能率的に客をさばくかに注力してしまいます。「兎に角忙しいんだから、早く買い物をしてもらい、お金を払ってもらい、早く帰ってもらおうとするのです。
これは、ある意味正解です。
そうです。どんどんお客さんが来る場合は、つまり一位の店なら大正解。売り手市場なら大正解。なのです。
したがって、本当の意味での能率の向上には効果性が高い仕組み作りと、正しい方針と、教育・訓練の3つが必要になります。
ちなみに、教育と訓練の違いは教育は頭で訓練は体です。その比率は1対2で訓練に重きがあります。
戦略ですが語源は、ストラテジア。将軍は敵の情報を集め、主力兵器は、何にして戦場の中心と範囲はどうするか。進軍するルートはどこにするのか。戦闘をするときの陣組みは、補給方法は、兵士の教育・訓練、軍資金の調達と配分を決める。構想を練り作成計画書にまとめる。
これらを経営と対比すると
主力兵器=商品・サービス、戦場=営業地域、進軍するルート=営業ルート・業界・客層、陣組=営業方法、補給方法=工場の生産能力・仕入れルート、作戦計画書=経営計画書。
お客を除けば経営と全く同じです。
戦略とは将軍の術であり、軍全体の効果的な勝ち方。
経営の置き換えると戦略は、社長の術。経営戦略は業績を良くする全社的なやり方です。
ランチェスターの法則の研究から戦略には
競争条件が有利な会社が使う「強者の戦略」と競争条件が不利な会社が使う「弱者の戦略」の2種類あることが判明しました。
さてあなたの会社では社長が戦術だけを行っていたり、戦略分野を管理職やベテラン従業員に任まかせっきりになっていないでしょうか。客観的に考えてみてください。
セミナー2連発!大成功
六月二二日と二三日と連続して、四日市商店街様、中小企業家同友会様からセミナーの依頼を受けました。双方とも二五名のご参加ということで、二日間で五〇名の方と接近戦ができたことを感謝しております。「一枚のハガキとFAXで売上を上げる法」「一位作りの経営戦略」とテーマは違いますが、社長の目指すものは同じで、良い会社にしたくない社長なんていません。
皆さんの目の輝きでこちらも思わず力が入ってしまいました。
今後も月に一度はこういう機会を作っていきたいと思います。
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