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メンター通信 第55号

発行日2008.7.25

人を動かす3つの原則

私がデールカーネギーと出逢ったのは、29歳ですので、もう20年以上も前のことです。
私の師である箱田忠昭先生の講演会のことでした。
講演で初めて私は、保険で全米一になったフラクンク・ベトガーのことを知りました。
そのフランクベトガーの人生を変えたのが、デールカーネギーの話し方教室だったのです。
野球選手だったベトガーは、一度は大リーガーとして活躍したのですが怪我で解雇を言い渡されて、公園のベンチで途方に暮れていたとき目に止まったのがひとつの広告でした。

藁(わら)をもすがる気持ちで、その教室へいったのです。ところが既に講は始まっており途中での入講は駄目だと断わられました。
そこを無理に頼んで入講をしたのでした。
その話を聞いて私は「こういうコースがあるんだ。いつかは受けてみたいなぁ」と思ったのです。
その後デールカーネギーの本を購入し、巻末にあった代理店から資料を取り寄せました。
資料の中身を見て私は落胆しました。一番近い名古屋の開講は、土曜日の午後からのコースだけだったからです。
当時勤めていた会社は週休2日制にはまだなっておらず。しかも自動車販売会社ということもあり、土曜日を休むことなど、とても出来る雰囲気ではありません。そんな訳で受講は諦めました。
それから数年が経ち、私はソフトウェアの開発会社に転職することになったのです。その時「これでデールカーネギーコースに入講することができる」と思ったのです。
カーネギーの名前を知ってから、5年目のことでした。
そのデールカーネギーの『人を動かす』を最近再び読み直しています。というか。聞きなおしております。
前回の号でも紹介しましたCDを何度も聞きなおしているのです。
それも『人を動かす3原則』の部分を重点的に聞いています。
カーネギーコースでは、人を動かす3原則。人に好かれる6原則。人を説得する12原則。人を変える9原則。をすべて暗記させられます。

この合計30の原則を頭に叩き込んで、それぞれのテーマで2週間意識して、人に接するわけです。
そして2週間後全員の前で発表します。このときに必要になるのが話し方の技術です。
ですからデールカーネギー話し方教室というと話し方だけを勉強すると思ってしまいますが、そうではなく『人を動かす』ことがメインテーマにあります。
当時は課題をこなすのが精一杯だったので、それほどこの内容が深いものだと考えている余裕もなかったのですが、最近聞きなおして改めてその凄さを認識しています。
人を動かす3原則は、次の3つです。
1、批判も非難もしない。不平もいわない。
2、率直で、誠実は評価を与える
3、強い欲求を起こさせる
既に、人を非難したり、不平なんか言わないように気をつけている方はみえると思います。
しかし私は中々この癖が直らず、困っています。
それ以上に気をつけなければならないのが、人を直してやろうという気持ちです。
その人のためと言いつつ裏返せば自分の意見を押し付けてしまっていることがあるからです。
幼女連続誘拐殺害の宮崎勤は、死刑執行前でも自分を悔改めなかったと聞きました。
人を殺めるも尚、自分は正しい、ああするしか仕方がなかったんだ。そう思っているのです。
いわんや罪を犯すこともない我々はどうでしょうか。
そう簡単に『自分の非』を心から認めるとは思えません。
「あなたの言うことは、確かに正しいかもしれません。
しかし私は絶対にその方法は取らない。自分で考えた方法でやります。例え遠回りになったとしても」
と心の奥底で叫んでいるのです。
それにもう一つリーダーにとって落とし穴があります。
批判をするとそれを見ていた他の人たちが、あの人から、あんな風には言われたくない。だから、何でもかんでもしゃべるのは止めよう。
警戒して良いことしか言わなくなるのです。
お客さんに対しても同じことが言えます。
競争相手の悪口を言うのは、営業マンにとってご法度です。
それはこの理由からです。
2つ目の原則は、『率直で、誠実は評価を与える』です。
「人を動かす」の中では、スピーディーワンダーの話が載っていました。
目の悪かったスピーディーモリス少年は、小学校時代に逃げ出したネズミを女の先生から、あなたの耳なら探せると言われて、初めて耳が良いことに気づかされて、その後スピーディーは音楽の道を歩むことになりました。

私自身もコンピューターの仕事を長く続けられたのは、プログラムを覚えだした頃、NECのトップSEの方に、センスが良いと言われたからです。しかも人伝えに聞いたのですから効果覿面(てきめん)です。
人は残念ながら、自己中心的です。自分しか見えないのです。
そのくせ、自分の存在を認めてもらえないとそのために病気になったり、精神に異常をきたしたり、ついには犯罪まで犯す始末です。秋葉原の事件などは典型的な例ですね。
犯罪を犯して、牢獄にいてもワイドショーでイチロー、松井などと同じ番組で扱ってもらえれば、牢獄にいることなど忘れてしまうのです。罪どころか、生まれてきた証しとさえ思えるのです。
ところがその存在感を得ようとすれば、先に相手を認め評価を与えなければ、相手は自分のことを認めてはくれない。(なぜなら人は自己中心的だからです)
ましては、こちらに好意を持つことなどありえないのです。
お世辞ではありません。心からの賞賛です。
最後は『強い欲求を起こさせる』です。
「どうすれば、そうしたくなる気持ちを相手に起こさせることができるか」を考えることです。
その前に、相手のことを知らなければなりません。
ところが、人は元々警戒心が強いので安心できる人しか本心を明かしません。
そこで必要なのが、原則1、原則2のプロセスです。
自動車王ヘンリー・フォードは、こんなことを言っています。
「成功に秘訣というものがあるとすれば
それは、他人の立場を理解し、自分の立場と同時に
他人の立場からも物事を見ることの能力である」
人を動かす3原則は、人間関係しかり営業、リーダーシップにも繋がります。
順番も第一原則から進めるとよいことも最近分ってきました。
デールカーネギーという人は、本当に凄い人だと思います。
「それは解るけど、どうやって実行するか。が大きな問題だよ。」という声が聞こえてきそうです。
そうですよね。デールカーネギーに限らずいい言葉は世の中に沢山あります。

実際にドロシー・カーネギーはカーネギー名言集という本に1500ほどの名言を載せています。
でもすべて実行できる人なんて、世の中にいるんでしょうか。
ここは一つ弱者の戦略、各個撃破で取り組んでみては如何でしょうか。
「継続する秘訣は何か」と聞かれたら
できることだけに集中することではないでしょうか。
そこで、まず3原則だけを記憶して、毎朝、5分間時間をとって、「人を動かす3原則、イチ、批判非難不平を言わない。ニー誠実な評価を与える。サン、強い欲求を起こさせる」と暗唱します。
それで今週は原則1だけを意識します。
一週間たったら、意識した結果を思い浮かべます。
会社なんかの朝礼で、経営理念を唱和するより、効果が上がりそうな気がするのは、私だけでしょうか。
かの有名なリッツカールトンも毎週一つずつ意識づけをやり続けているようですね。
この朝礼を半年続けたら、社員さんが人と接することが好きになり、その会社に人がどんどん集まってくるような気がします。
そのときは、教えてください。インタビューに参ります。

情報収集と決断で社長の戦略実力が変わる

丁度2年前ですが、当時地域アドバイザーの担当で四日市商工会議所の川谷さんのご紹介で、会員さんの相談を受けました。
内容をお聞きすると中古車販売で、以前岩崎さんは、車会社にいたと聞いたので連絡しました。ということでした。
会員さんは、生桑で中古車販売をメインにされているカーオーダーMさんでした。
社長は森本さんという方で、話しているうちに私の勤めていた会社の話になり、なんとお父様が同じ会社だったのです。
相談内容は、人の問題でしかも営業をどのように教えたらよいかということでした。
毎年中小企業の社長を対象にアンケートが取られますが、重点経営課題の1番が営業力の強化、2番目が新製品の開発、3番目が社員の教育です。
その1番目と3番目を同時に相談を受けたことになりました。
とは言え、社長の戦略が解らないと何をどのように教育したらよいのか。解りませんので経営の現状についていろいろお聞きしました。
話し合っていくうちに、経営戦略についてもう一度整理し直すことになりました。
ということで、まずは、社長塾を受けてもらうことから始まったのです。
店を7時に閉めてから、研修会場までお越し頂いて2時間マンツーマンで行いました。
第1講が終了して××について調査をお願いします。といった具合に宿題を出す訳ですが、基本原則の4講が終わり地域戦略、顧客戦略と進むに従って、森本さんの発言に変化を感じられるようになってきました。
「岩崎さん、こうしたいと思うんですが、・・・・・・・」
そうしているうちに、驚くべき言葉が森本さんから飛び出したのです。
「BMW一本で行こうと思って、今在庫を整理していますが、どう思われますか」
余りの早い決断で、正直驚きました。
今回森本社長にインタビューをさせて頂いて、なぜ決断が早かったのかが解りました。遅くまで勉強をして、次の勉強までに調査をしていたようです。

カーオーダーMさんをもっと知りたい方は↓
http://blog.livedoor.jp/b_fab_122/

例えば、BMWで勝負するにしても、勝てる価格帯はどのぐ
らいか。
・三重県での競争相手は、どこで何台の在庫を持っているか。
・BMWを持っている人がどこに集うのか。
・ドレスアップはどうやってするのか。
忙しい中時間を作って、ウラを取っていたのです。
その手助けをしてくれていたのが、現在の店長中西さんです。
中西さんなしで、この戦略を立案することは出来なかったと思います。
地域戦略のお手本、陶山訥庵先生も平田という援助者がいたから成功したと言われています。
芳村思風先生から、『不確かな知識は行動を奪う』と教えて頂きました。まさにその通りです。
もう一つ思風先生から教えてもらった『決断は、決めることと断つことの2つだ』これも実行されていて感心しております。
皆さんは、三重マイカー情報(以下MMJ)という雑誌をご存知でしょうか。
男性の方なら一度は見たことがあると思います。
ここの舩木社長も戦略の名人ですが、そのMMJのページの最後に車種別INDEXというのがあります。
ヨーロッパ車BMWの欄には(5月発行)全部で24台の車種が掲載されています。
そのうちなんと11台がカーオーダーMさんのものです。
2位が5台、すなわち占有率1位、45.8%しかも10対6以上の差をつけています。
MMJを手にして、BMWを探したら必ずといってよいほどカーオーダーMさんのページを開くわけです。
このあたりも緻密に計算されて、あっという間に、素晴らしい戦略社長になられました。
ウィクリートークでは、その森本社長に登場頂いております。

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